設立登記完了後の届出書

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    JUGEMテーマ:会社設立

     

    法人の設立登記が完了したので、「さぁ事業開始」・・・とはいきません。

    各諸官庁への届出が必要です。

    税金関係や労務関係など提出先はいくつもあり、書類も様々あります。

    このような手続きは外部にお願いすれば簡単に済みますが、「全て自分でやりたい」という方もいるでしょう。

     

    では、どのような届出が必要なのか見ていきましょう。

     

    届出書類一覧

    届出先・届出書名 提出期限 備考
    【税務署】
    法人設立届出書 設立後2ヵ月以内
    青色申告の承認申請書 設立後3ヵ月以内 1
    給与支払事務所等の開設届出書 給与支払開始後1ヶ月以内
    源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 適用する月の前月 2
    棚卸資産の評価方法の届出書 1期申告期限 3
    減価償却資産の償却方法の届出書 1期申告期限 4
    【都道府県】
    法人設立届出書 遅滞なく 5
    【市町村】
    法人設立届出書 遅滞なく 5
    【労働基準監督署】
    労働保険関係成立届 雇用後10日以内
    概算保険料申告書 雇用後50日以内
    【ハローワーク】
    雇用保険適用事業所設置届 雇用後10日以内 6
    雇用保険被保険者資格取得届 雇用した翌月10
    【社会保険事務所】
    健康保険・厚生年金保険新規適用届 事実発生後5日以内
    被保険者資格所得届 雇用後5日以内
    健康保険被扶養者異動届 異動があった都度遅滞なく 7

    ▲印は対象雇用者がいなければ提出の必要はありません。

    1 設立事業年後終了の日が設立後3ヵ月以内の場合は設立事業年度終了の日の前日

    2 給与の支給人員が10人未満で源泉所得税の納付を年2回にまとめる場合

     (設立月は対象とならないため、ひと月分のみ翌月10日が納付期限となります

    3 提出がない場合は「最終仕入原価法」となります。

    4 提出がない場合は「定率法」となります。

        ただし、建物・附属設備・構築物又は無形固定資産は提出の有無に関係なく「定額法」となります。

     (鉱業用は除外)

    5 各行政区によって違いがあるためそれぞれ確認が必要

    6 労働保険関係成立届が必要になりますので、「労働基準監督署→ハローワーク」の順番で手続きしたほうがスムーズにいきます

    7 扶養者がいない場合は提出の必要はありません。

     

    ここで挙げた届出書は一般的なものですが、それだけでも15個あります。

    この他、許可が必要な業種(建設業、飲食業など)や形態(消費税課税事業者など)によってはまだ届出が必要なものもありますので、事前に確認しておかなければいけません。

     

    提出期限についてですが、基本的に多少遅れても特に影響がないものもありますが、「青色申告の承認申請書」だけは期限までに提出することをお勧めします

    この「青色申告」については別の機会に詳しくお話したいと思いますが、税制面での優遇措置がありますのでこれだけは気を付けてください。

     

    また、これらの届出書は全てコピーしておいたほうがいいでしょう。

    後々になって「あの届出書は提出してあるだろうか?」なんてことにもなってしまいますので。

     

     

    ここでは設立関係の届出書についてお話しましたが、個人事業から法人成りされる方は個人事業の廃業関係の届出書も必要になります。

    自分はどの届出書が必要なのか、事前にしっかり確認し、スムーズに事業を開始できるように準備しておきましょう。


    会社の種類(株式会社・合同会社)とその違い

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      JUGEMテーマ:会社設立

       

      「会社」には、「株式会社」「有限会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」とあります。

      この中で「有限会社」は、現在では新規に設立できません。

       

      ここでは新規設立を前提に、「株式会社」と「合同会社」の違いについてお話します。

      (定款の作成については⇒『会社設立時の「定款」の決め事とは?』を参照)

      なお、「合名会社」と「合資会社」については、新規設立件数が極端に少ないため、ここでは省略させていただきます。

       

      ■「株式会社」と「合同会社」の設立費用の違い

      株式会社と合同会社の違いは、まず設立にかかる費用が違います。

       

      ・設立にかかる費用

       

      株式会社 合同会社
      定款印紙代 ※ 40,000円 40,000円
      公証人手数料 50,000円 0円
      登録免許税 150,000円 60,000円
      合計 240,000円 100,000円

      ※ 定款印紙代は電子認証の場合はゼロとなりますが、自分で認証手続きをする場合、電子認証のための専用ソフトなどが必要になり、その価格は定款印紙代以上してしまいます。

      (定款認証のみ外部に依頼するのであれば低価格で済みます。)

       

      この表からもわかるように、合同会社にした場合、14万円も安くなります

       

      この他に登記簿謄本代(1700円)や印鑑証明代(1300円)がかかります。

      更に、この手続きを一から専門家にお願いした場合、5万円〜10万円くらいの手数料がかかるでしょう。

       

      私は合同会社を設立しましたが、費用は登録免許税6万円と、電子認証のみを外部にお願いした手数料6,400円の合計66,400円で済みました。

      定款認証のみをお願いする場合の手数料も前後しますので、ひょっとしたらこれよりも安く済むかもしれません。

       

      ただ、株式会社の設立を一から外部にお願いした場合30万円以上かかるであろう費用をここまで安く抑えることができました。

       

      ■「株式会社」と「合同会社」のメリット・デメリット

      株式会社は一般的に社会信用度が高く、その認知度の高さも圧倒的です。

      それに比べ合同会社はまだ新しいスタイルの会社であるため、その数も少数です。

       

      しかし、徐々にその数は増えつつあり、あの有名な「アップルジャパン」も実は合同会社なのです。

       

      また、合同会社は、上記で述べた設立費用の安さだけでなく、設立時の作成書類も株式会社に比べ少なく簡単なのです。

       

      ■意思決定と利益配分について

      株式会社では、事業の方向性や利益の配分については出資割合に応じて行われますが、合同会社ではそれらを自由に行うことができます

       

      ■会計処理・税務申告の違い

      株式会社と合同会社の会計処理と税務申告は何ら変わるところはありません。

      合同会社だからといって特別な処理があるわけではないのです。

       

      合同会社を設立後、株式会社へ変更することが可能であり、その際も会計処理・税務申告を変更する必要もないのです。

       

      ■代表者の役職名

      株式会社では「代表取締役」、合同会社では「代表社員」と、代表者の役職名が違います。

      中には「代表取締役」を名乗りたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、合同会社では「取締役」という概念がありませんので、役職名を気にされる方は気を付けましょう。

       

       

      株式会社と合同会社、どちらが有利不利というのは一概には言えません。

      社会信用度を重視するのか、それとも初期費用を重視するのか、会社名にこだわるのかは人それぞれです。

       

      私の場合、社会信用度をそれほど重視することが無かったため、初期費用を重視して合同会社にしましたが、外部に対するイメージを特に気にされないのであれば合同会社で十分だと思います。

       

       


      会社設立時の「定款」の決め事とは?

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        JUGEMテーマ:会社設立

         

        会社を設立する際には、基本規則などをまとめた「定款」の作成が必要になります。

        おおまかな書式はネット上でも多くのひな型がありますが、最低限自分で決めなければいけないものがあります。

         

        ここでは、その「自分で決めなければいけないもの」の項目とその注意点について紹介します。

         

        まず、自分で決めなければいけないものは以下の項目です。

         

        ・商号

        ・事業目的

        ・本店所在地

        ・事業年度

        ・設立時の資本金、出資者

        ・株式の譲渡制限の有無

        ・取締役の人数、任期

         

        それでは一つ一つ見ていきましょう。

         

        商号

        商号(会社名)は多くの人が悩むのではないでしょうか。

        これから長くその名を名乗っていくわけですから、存分に悩み、納得のいく社名を付けましょう。

        ただし、有名企業と同じ社名は避けるべきです

        登記することは可能ですが、後々その相手先から訴えられる可能性があります。

        また、周辺に同じ社名がないか確認しておくことも必要です。

        これも登記は可能ですが、取引先が困惑してしまうことも考えられます。

         

        事業目的

        これからどのような事業を行うか、その事業内容を決めなければいけませんが、会社設立を考えている人であればそう悩むことではないと思います。

        また、今後このような事業もしていきたいと思うものがあれば、設立の段階で織り込んでもいいと思います。

        ただ、事業目的を細かくしてしまうと、事業内容が絞られてしまい、極端な話それ以外の事業ができなくなってしまいます。

        かといっていくつも目的を書きすぎても金融機関などに対しての印象も良くありません。

        そうならないために、35項目くらいを記載し、最後に「前各号に附帯又は関連する一切の業務」という目的を入れておきましょう。

        こうすることで、いくつも事業目的を書く必要はなく、その事業目的を幅広くすることができます

        注意点としては、建設業や飲食店など役所の許可が必要な業種は事前にそれぞれ管轄する役所への申請が必要となります。

         

        本店所在地

        定款上の本店所在地は最小行政区画(市区町村)までにしましょう。

        番地まで記載してしまうと、同じ市区町村内で移転があった場合、定款変更の手続きが発生してしまうからです。

         

        事業年度

        決算日によって有利不利がありますので、確認しておきましょう。

         『会社の設立日や決算日によって有利不利がある?』

         

        設立時の資本金、出資者

        誰がいくら出資するのかを決めます。

        現在では1円からでも設立ができますが、ペーパー会社(書類上だけで実態のない会社)と見られるかもしれません。

        特に、これからバンバン営業して取引先を増やしていくのであれば、最低でも100万円と設定することをお勧めします。

        中には「資本金◯◯万円以上の会社としか取引しない」というような会社もあるくらいですから。

         

        株式の譲渡制限の有無

        譲渡制限を設けることで、株式を第三者に渡す際、取締役又は他の株主の許可が必要となります。

        簡単に第三者に渡ってしまうと、会社自体を乗っ取られてしまう危険性もあり、この規定を設けることでこのような事態を未然に防ぐことができるのです。

         

        取締役の人数、任期

        人数については特に制限はありません。

        1名でも可能ですが、この場合、上記の「株式の譲渡制限を設ける」ことが前提となります。

        設定方法として、「◯名」「◯名以上◯名以下」「◯名以下」などと幅広くありますが、「◯名」と限定してしまうと、変更がある度に定款も変更しなければいけません。

        比較的小規模であれば「5名以下」とするのが無難ではないでしょうか。

         

        任期については2年としているところが多いようですが、これは旧商法の任期が2年であったためです。

        現在の会社法では最長10となっています。

        家族や信頼のある人が取締役になるのであれば、任期は10年にすることをお勧めします

        理由は、任期が満了する度に役員変更登記をしなければならず、その分コストがかかってしまいます。

        できるだけ任期を長く設定することで、その分コスト削減にもつながります。

        ただし、一度取締役に就任すると、任期の途中で簡単にやめさせることができず、トラブルの原因にもなってしまいますので、それを避けたい場合は短めにしたほうがいいでしょう。

         

         

        以上、上記に挙げたものは一般的な決め事ですが、この他にも決めなければいけないことが出てくるでしょう。

        そんな時は焦らずじっくりと検討し、落ち度のない定款を作成しましょう。


        会社の設立日や決算日によって有利不利がある?

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          JUGEMテーマ:税金と確定申告

           

          法人を設立する際に設立日決算日をいつにするか悩むところです。

           

          まず設立日についてですが、大安にする人や自分の誕生日にする人、中には風水や占いなどで決める人とそれぞれ決め方はあると思いますが、その設立日によって有利不利があるのをご存知でしょうか。

           

          仮に決算日を3月31日とし、設立日を4月1日にした場合と4月2日にした場合とで比べてみましょう。

           

          4月1日を設立日とした場合、第1期目は丸々1年、つまり12ヵ月となりますが、

          4月2日を設立日とした場合、第1期目は11ヵ月と29日になります。

           

          ここで重要になってくるのが月数です。

           

          法人税の中には、利益に関係なく1事業所に対して必ず課税される「均等割」というものがあります。

          資本金の金額や、都道府県、市区町村によって誤差はありますが、ここでは年70,000円の均等割として考えます。

           

          ・4月1日設立の場合

             70,000円×12ヵ月÷12ヵ月=70,000円

          ・4月2日設立の場合

             70,000円×11ヵ月÷12ヵ月=64,100円(百円未満切捨て)

           

          この計算からわかるように、均等割は1年に満たない年は月割りで計算しますが、

          1ヶ月に満たない月はカウントしません

           

          ですので、4月2日設立の年は11ヵ月で計算することになり、

          設立日が1日違うだけで第1期目の税金を5,900円安くすることができるのです

           

           

          次に決算日についてですが、これは消費税の課税事業年度が関係してきます。

           

          資本金の額又は出資の金額が1,000万円未満で、第1期目の課税売上高が1,000万円を超える場合、第3期目から消費税の課税事業者となり消費税の申告が必要になります。

          (1,000万円の判定の際、その事業年度が1年に満たない場合は年換算で判定する)

           

          仮に設立日を×1年4月1日とし、

          決算日を×1年9月30日にした場合と×2年3月31日にした場合とで比べてみましょう。

           

          ・×1年9月30日を決算日とした場合の消費税課税事業者の開始事業年度は

            ×2年10月1日〜×3年9月30日

          ・×2年3月31日を決算日とした場合の消費税課税事業者の開始事業年度は

            ×3年4月1日〜×4年3月31日

           

          このように、第1期目を1年とした場合と6ヵ月にした場合とでは、

          6ヵ月にした方が課税事業者に早く該当してしまいます

           

          できる限り課税事業者に該当する時期を先にしたいのであれば、第1期目は1年とした方がいいでしょう

           

          ただし、事業年度開始日以後6ヵ月で課税売上高が1,000万円を超える場合(課税売上高に代えて給与等支払額で判定することもできます)はその事業年度から課税事業者になるため、決算日の違いによる影響はありません。

           

          このように、設立日や決算日の違いによってちょっとした影響がありますので、

          これから法人設立を考えている方はこの辺りも検討してみてはいかがでしょうか。


          「法人」と「個人事業」の違い

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            JUGEMテーマ:経営

            新たに事業を始める場合や、個人事業から法人への変更(法人成り)、法人から個人事業への変更を検討されている方は、法人と個人事業とどちらが有利なのか悩むところだと思います。

             

            何を重視するか、どこに重要ポイントを置くか、その判断材料で状況が変わってきますので、どちらが有利とは一概には言えません。

             

            そこで、法人化によるメリット・デメリットを挙げてみましたので、この内容を現状に当てはめて考えてみてください。

             

            法人のメリット

            ・社外的信頼が高まる。

            ・家族に給与を支払うことができる。

            (個人事業の場合、専従者でなければ給与を支払うことができない)

            ・代表者も給与所得者になるため、給与所得控除の恩恵が受けられる。

            ・法人名義で契約した役員、従業員の生命保険等を会社の経費に計上することができる。

            ・車やクレジットカードなど、法人名義にすることで会社の経費に計上することができる。

            (明らかに私用なものは除外)

            ・個人事業で消費税課税事業者の場合、法人化にすることで、原則2年間免税事業者となる。

            (資本金1千万円未満に限るが、特定期間の売上判定により例外もある)

             

            法人のデメリット

            ・法人の設立登記にコストがかかる。

            ・決算、申告料の増加。

            ・社会保険の強制加入。

            (個人事業の場合、労働者が5人未満であれば強制加入とはなりません)

            ・利益が出なくても毎年税金(均等割り)が発生する。

            ・会社のお金を私的に使用できない。

             

            以上、このようなメリット・デメリットが考えられます。

             

            一般的に収入が多い場合は税金面で見れば法人の方が有利になります。

            しかし、社会保険に加入していない個人事業が法人成りすることで、社会保険料の負担が増加してしまいます。

             

            また、法人成りすることで2年間消費税の免税事業者になれるのは、目先のことだけ見れば大きなメリットになるかもしれません。

            しかし、長い目で見れば個人事業の方が有利になるケースもあります。

             

            法人設立の目的が明確である場合は問題ありませんが、

            現時点で悩まれている方、特に税金や保険料などで有利不利を判断しようとしている方は、

            自分の給与の設定額も慎重に行わなければいけません。

             

            法人の場合、個人事業みたいに余ったお金(=利益)を自由に使うことはできません。

            それを見越して給与金額を多めに設定しても、その分、社会保険料の負担が増加してしまいます。

             

            このように、状況によって有利不利の判断が変わってきますので、

            色々なパターンを想定してシミュレーションをしておかなければいけません。


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